企業の借金ランキング!日本一の借金企業はどこだ?

f:id:espresso100:20170914191709j:plain

 

みなさ~ん、借金してますかー!身の丈に合わない車を買ってしまったためにローンで首も回らない、いや仕事に忙しくて首しか回らないlatidonlです。

 

とはいえ、欲しいものは仕方がない。お金が貯まるまで待てませんでした。自分の仕事を早く始めるのに借りるしかなかったのです。これは大企業も同じで、借金をしながら事業を大きくしてきているのです。ということは今回は、上場企業の借金について、大きさを見るとともに、内容について解説したいと思います。

 

 

企業の借金について理解しよう

f:id:espresso100:20170914193129p:plain

まず、企業の借金とは、どの部分を指すのでしょうか。

 

企業は、貸借対照表(バランスシート)というもので、自社の財務を管理しています。バランスシートの項目は、資産、負債、資本の3つに分かれます。なぜバランスシートなのかというと、必ず資産が負債と資本の合計に一致するように作るからです。

 

 貸借対照表(バランスシート)

  • 資産
  • 負債
  • 資本

 

このうち資産が、企業が保有している事業のための原資にあたります。この原資を、どのように手配したかというので、負債と資本に分かれるわけです。

 

資本は、その企業が自分で手に入れたものになります。投資については、資本の項目に入ります。なぜなら、資本家はお金を返してもらうのではなく、お金を企業に渡して、その見返りに配当金等をもらうからです。ここに返済義務はありません。

 

一方他人から借りたものが、負債にあたります。銀行からの融資は負債になります。このうち、利子を支払わないといけないものを、特に有利子負債と言います。この有利子負債を、企業の借金と呼ぶことが多いですね。

 

借金が多い企業は悪い企業なのか

f:id:espresso100:20170914192730j:plain

では、借金が多い企業は悪なのでしょうか。これは実は、必ずしもそうとは言えない部分もあります。

 

確かに、有利子負債は利子を払わないといけないので、企業経営を圧迫します。しかし、バランスシートの考え方を見ると、借金はプラスの効果もあります。

 

企業は資産をベースに企業活動を行います。その資産の出どころが、資本であろうと、負債であろうと、企業活動に大差はありません。

 

ここで、資本金が100億円の企業を見てみましょう。たとえば資本金が100億円で、借金がなければ、100億円分しか資産がありません。一方、資本金100億円、負債100億円であれば、200億円分の資産を使って企業経営を行えます。例えば店舗を持つビジネスだとしたら、倍の数店舗を出すことができるわけですね。そうすれば、収益も倍になり、リスクは低減します。

 

借金がない会社は、健全な経営をしているとも言えますが、レバレッジを効かせていない、とも言えます。

 

ROAROE、D/Eレシオ

f:id:espresso100:20170914193515j:plain

ここで、投資家が企業を見る際に、使う指標を紹介しましょう。

 

ROA

まずはROAです。Return on Assetの略で、負債資本倍率(Debt Equity Ratio)とも呼ばれ、利益を総資産で割り戻したものになります。要するに、どれだけ効率的に資産を使って経営を行っているか、の指標になります。

 

 ROE

ROEはReturn on Equityの略です。エクイティとは資本のことです。これは、利益を資本で割り戻した数字です。投資家から預かった資本をどれだけ効率的に動かしているかの指標になります。

 

投資家はROAよりもROEを重視します。なぜなら、エクイティは自分たちが負担したお金であり、それをどれくらい効率的に活用しているかが、投資家にとっては重要だからです。同じROAであれば、負債があった方がROEはよくなります。投資家目線で見ても、借金は決して悪いことではないのです。

 

 D/Eレシオ

D/Eレシオは、Debt Equity Raitoの略で、負債と資本のバランスを見る指標です。企業財務の健全性を見る指標のひとつで、有利子負債を資本で割り戻した値になります。

 

企業の借金である有利子負債が返済義務のない自己資本(株主資本)の何倍かを示しており、D/Eレシオが高ければ、その分借金が多く、効率的に運営している一方、金融機関の意向に反映されやすい、という弱みもあります。

 

これら3つの指標は、企業の借金を考える上で、重要な指標です。抑えておくと、企業を見る際の視野が広がるでしょう。

 

上場企業の借金ランキング

f:id:espresso100:20170914194432j:plain

 以下の表が、企業の有利子負債ランキングです。おそらく聞いたことがある企業ばかりではないでしょうか。

  企業名 有利子負債 売上高 比率
1 トヨタ自動車(株) 19,155,727 27,597,193 0.69
2 ソフトバンクグループ(株) 14,858,370 8,901,004 1.67
3 野村ホールディングス(株) 8,076,526 1,715,516 4.71
4 日産自動車(株) 7,715,718 11,720,041 0.66
5 ホンダ 6,809,118 13,999,200 0.49
6 東京電力ホールディングス(株) 6,004,977 5,357,734 1.12
7 三菱商事(株) 5,383,911 6,425,761 0.84
8 三井物産(株) 4,801,584 4,363,969 1.10
9 オリックス(株) 4,138,451 2,678,659 1.54
10 日本電信電話(株) 4,117,587 11,391,016 0.36
11 三菱UFJリース(株) 4,004,587 838,886 4.77
12 関西電力(株) 3,821,550 3,011,337 1.27
13 (株)大和証券グループ本社 3,595,799 616,497 5.83
14 東海旅客鉄道(株) 3,421,020 1,756,980 1.95
15 住友商事(株) 3,418,326 3,996,974 0.86
16 住友不動産(株) 3,370,474 925,151 3.64
17 九州電力(株) 3,312,649 1,827,524 1.81
18 東日本旅客鉄道(株) 3,227,313 2,880,802 1.12
19 伊藤忠商事(株) 2,944,653 4,838,464 0.61
20 丸紅(株) 2,806,138 7,128,805 0.39
21 東京センチュリー(株) 2,667,905 976,107 2.73
22 中部電力(株) 2,667,768 2,603,537 1.02
23 日立キャピタル(株) 2,546,720 370,860 6.87
24 JXTGホールディングス(株) 2,459,051 8,136,008 0.30
25 東北電力(株) 2,419,641 1,949,584 1.24
26 三菱地所(株) 2,391,337 1,125,405 2.12
27 三井不動産(株) 2,287,485 1,704,416 1.34
28 イオン(株) 2,166,273 8,210,145 0.26
29 新日鐵住金(株) 2,091,830 4,632,890 0.45
30 中国電力(株) 2,029,081 1,200,379 1.69
31 (株)クレディセゾン 1,815,744 278,944 6.51
32 芙蓉総合リース(株) 1,743,627 507,001 3.44
33 (株)三菱ケミカルホールディングス 1,693,742 3,376,057 0.50
34 J−POWER 1,619,437 744,402 2.18
35 豊田通商(株) 1,520,721 7,919,663 0.19
36 興銀リース(株) 1,415,336 429,405 3.30
37 ジェイ エフ イー ホールディングス(株) 1,375,468 3,308,992 0.42
38 北海道電力(株) 1,355,737 702,776 1.93
39 (株)ジャックス 1,211,953 119,654 10.13
40 (株)東芝 1,203,796 4,870,773 0.25
41 ソニー(株) 1,199,541 7,603,250 0.16
42 (株)日立製作所 1,176,603 9,162,264 0.13
43 武田薬品工業(株) 1,144,890 1,732,051 0.66
44 東急不動産ホールディングス(株) 1,137,892 808,503 1.41
45 パナソニック(株) 1,124,004 7,343,707 0.15
46 (株)商船三井 1,101,913 1,504,373 0.73
47 近鉄グループホールディングス(株) 1,099,223 1,204,867 0.91
48 (株)オリエントコーポレーション 1,071,821 213,693 5.02
49 西日本旅客鉄道(株) 1,053,825 1,441,411 0.73
50 出光興産(株) 1,050,686 3,190,347 0.33

(単位:百万円)

 

出典:下記より加工

info.finance.yahoo.co.jp

より加工

企業の借金はどれくらいあるの?

上場企業全体でいうと、10兆円以上の借金があるのは、トヨタ自動車ソフトバンクの2社になります。

 

1兆円以上だと、51位のセブン&アイホールディングスまでなので、51社あります。1000億円以上が269社あります。一方、無借金経営をしている企業も、わずかですが存在します。

 

 1位はトヨタ自動車、その額なんと19兆円!

1位は堂々のトヨタ自動車で、その額はなんと19兆円にもなります。どれくらいの規模かというと、だいたいルーマニアGDPと同じくらいの金額です。

 

トヨタは何もかも桁外れです。売上高も日本一の27兆円で、2位のホンダの倍近くあります。同じく時価総額も約20兆円で、2位の日本電信電話(NTT)を大きく引き離しています。

 

そんなトヨタ自動車ですが、資本も18兆円ちかくあり、D/Eレシオは106%と、資本と負債をほぼ同額で持っています。ROAは3.8%、ROEは10%超となっています。

 

2位はソフトバンク!携帯電話会社3社の借金は?

2位はソフトバンクで、約14兆円の借金をしています。同じく携帯電話キャリア大手で見ると、KDDIは約9600億円で52位、NTTドコモは約2,200億円で、なんと170位になります。

 

3社の財務数字を比較してみましょう。

企業 時価総額 有利子負債 売上高 比率 資本 ROA ROE D/Eレシオ
ソフトバンク 9,557,034 14,858,370 8,901,004 1.67 3,586,352 6.29 46.01 414.3
KDDI 7,552,076 949,680 4,748,259 0.20 3,554,423 9.06 15.93 26.7
NTTドコモ 9,897,091 221,880 4,584,552 0.05 5,530,629 8.09 12.05 4.0

 

時価総額で見ると、NTTドコモが1位、それに続き、ソフトバンクKDDIと続きます。売上高はソフトバンクが約9兆円で、頭1つ抜き出ています。KDDINTTドコモが5兆円弱で続きます。資本は、NTTドコモが5兆円、ソフトバンクKDDIが3兆円です。

 

こうしてみると、有利子負債の額だけが飛びぬけて違いますソフトバンクは、数年前のスプリント買収前後で、大きく借金を増やしました。

 

ここ数年は毎年増加傾向にあります。主な目的は、有望な会社の買収のためです。スプリントはじめ、直近ではボストン・ダイナミクスというロボットの会社をGoogleより買収しました。

 

一方NTTドコモは、NTTからのスピンアウトであり、比較的設備投資も少ないことから、有利子負債は小さくなっています。資産の効率性であるROAソフトバンクが最も低いですが、ROEソフトバンクが飛びぬけて高くなっています。合わせて、D/Eレシオも4倍と、大きな数字になっています。

 

オーナー会社独特

これはオーナー会社だからできることです。上場しているとはいえ、ソフトバンク筆頭株主は孫さんです。通常ここまでレバレッジを効かせることは、なかなかできません。株主にとってもリスクがあるからです。まさにオーナー会社ならではといったところでしょう。

 

赤字の原因の一つに「ペッパー」もあるようです。

news.yahoo.co.jp

 

ちなみに同じオーナー会社で、よく比較されるファーストリテイリングは、約2600億円、D/Eレシオは45%くらいです。ただし、去年から今年にかけて2400億借り入れを増やしています。思い切ったことをファーストリテイリングも行っています。

 

なぜ有利子負債比率が高い?金融会社における借金とは

では、今度は有利子負債比率に注目しましょう。有利子負債比率は、売上高に占める有利子負債の割合で、「有利子負債を返すのに、何年分の売上が必要か」の指標になります。

 

TOP50のうち、有利子負債比率が最も高いのが39位のジャックスで、なんと比率が10を超えています。有利子負債を返すのに、必要な売上が10年分必要ということです。D/Eレシオも、800%を超えています。

 

では、ジャックスは、ソフトバンク以上にレバレッジをかけているのでしょうか。他にも3位の野村ホールディングス、11位の三菱UFJリースなど、広義の金融機関の比率が高くなっています。

 

これは、金融機関においては、有利子負債の考え方が少し事業会社とは異なるからです。金融機関においては、資産に貸出金を、負債に預金を計上します。預金をベースに、企業に貸出を行うわけです。

 

ジャックス以外のノンバンク(貸金業)としては、31位にクレディセゾンがランキングしています。ジャックスもクレディセゾンもクレジットカードだけでなくキャッシング事業を行っています。キャッシング事業は住宅ローンと違って完済率がすごく高いわけではありません。借り入れをしている有利子負債の利息に加えて完済しないキャッシング利用者も一定数いることを考えるとキャッシングの金利が高くなるのもうなずけます。

 

クレディセゾンやジャックスはクレジットカードが主体ですが、消費者金融が主体の上場企業がランキングに出てこないのは意外でした(上場しているノンバンクは消費者金融の一覧を参照)。アコムアイフル、そしてプロミス(企業名はMBCコンシューマーファイナンス株式会社)は貸金業界トップ3に数えられる企業でカードローン事業や保証業務を主体としていますが、業界トップ企業でもランキングに出てこないのは、社会の変化によりカードローンが銀行主体になったことを表しているとも言えます。

 

リース会社、カード会社であっても、貸出の原資が負債になるわけですね。預金は、事業会社でいうところの、原料のようなものです。原料が増加するほど収益も増加します。その原料を社債や金融機関借入などで調達しているため、有利子負債が増加するのです。(今回のランキングには、銀行は含まれていません)

 

トヨタやホンダなど、自動車会社が上位に来ているのは、規模が大きいことももちろんですが、子会社にローン会社を持っていて、貸金業を営んでいる、という要素も大きいのです。

 

 上位ランキングにくる業種の特徴、上位ランキングにこない業種の特徴

上位ランキングにくる業種は金融機関など、お金を原資として融資、投資、貸出を行う企業に加え、電力、インフラ、商社などが多く散見されます。

 

電力やインフラが上位に来るのは、その業界の構造によるものです。こういう業界は設備投資が何よりも鍵になるため、多額の借入金を入れて、設備投資を行います。

 

設備投資さえすれば、回収の見込みはある程度たつため、金融機関も喜んでお金を貸します。元本の回収を期待するのではなく、利子を得ることを期待するのです。なので、こういった業種は、超長期の有利子負債を持っていることが多いです。

 

商社については、そのビジネスが商売から投資に移りつつあります。たとえば商社のエネルギービジネスの場合、権益を獲得するのに、多大なコストを払います。その権益が収益の源泉になるわけです。そういったビジネスにシフトしつつある業界のため、以前よりも有利子負債は増える傾向にあります。

 

一方、広告代理店やITなど、人的資本が最重要とされる会社は、それほどまでに借入金を使う必要がありません。収益の根幹が人にあるため、お金を借り入れて、投資をする必要性が他の業界に比べて低いためです。もちろんM&Aなどで多額のお金が必要になる場合がありますが、基本的には借金を少なくし、キャッシュの回転をよくすることの方が重要と言われています。

 

まとめ

というわけで、借金ランキング1位は、トヨタ自動車でした。意外でしたでしょうか。それとも想定通りでしたでしょうか。上位ランキングには、皆さまも知っている会社が並んでいたと思います。

 

企業の借金は決して悪いものではなく、事業をレバレッジさせるための、一つのツールに過ぎません。借金の額にとらわれず、いい企業というのを見分けていく必要があります。トヨタ自動車ソフトバンクが悪い企業とは、誰も思わないですよね。

 

今後は、企業を見る際に、売上や利益だけでなく、有利子負債や、D/Eレシオ、ROEなどを見てみるとよいでしょう。面白いデータがとれて、視野が広がるかもしれませんね。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA